080607「分かりやすい話し方」の技術 吉田たかよし 講談社BB

「矢印メモ」を使った話し方のテクニック!

【目次】
1、 矢印メモで分かりにくい話し方の原因を探れ!
2、 「要は何を言いたいんだ!」と言われないための、話の展開術
3、 ちょっとした工夫で格段に分かりやすく話せるテクニック

【概要】
分かりにくい話しの最大の原因である文章構造の複雑さの問題を解消する、
「矢印メモ」を用いた話し方のコツ技術について書かれています。
これは、話の構造を以下の4種類の矢印を用いて整理するというものです。
① 主語と述語、就職後と被修飾語の関係は『⇒』
② 文と文の間の因果関係は『→』
③ キーワードが相反する概念や対比される関係にある時は『⇔』
④ 文と文が相反する概念や対比される関係にある時は『↔』

具体的な使用方法は次の通りです。

■分かりにくい話し方の実例
『現状を放置することによって制度の破綻が予想される、少子高齢化の進展に伴い納付者が減少し需給者が増加する年金の改革を今すぐ実施すべきなのです』
■改善例
現状を放置⇒制度の破綻が予想される
       ↓
     年金制度⇒改革を今すぐ実施すべき
       ↑
          納付者⇒減少  
少子高齢化⇒ 
          受給者⇒増加

この様に4種類の矢印を用いて話の構造を簡略化し、
分かりやすい文章を組み立てる方法が書かれています。

この本の内容の50%はこの「矢印メモ」のことですが、
本書はその他にも分かりにくい話の代表例をあげ、
それに対する解決策がいくつも載せられています。

【コメント】☆★★★★
またまた、吉田たかよし氏の著作。
吉田氏は、アナウンサーと医者の経験をお持ちであり、
アナウンサー経験で培ったコミュニケーションテクニックと、
それを裏付ける医学的見識が本著の内容をより説得力のあるものにしています。
以前紹介した、「最強の〜」とは若干著者の話に矛盾が見られますが、
本著も大変参考になる内容。
「最強の〜」がどちらかというと見せ方の方法についての本ですが、
本著は話の内容の構成の仕方の方法について書かれています。
吉田たかよし氏が気に入った方は是非一読してみてください。